出版翻訳とは単純に考えればこれだけのことですが、実際には出版を決めて本にするまでには要所要所に確認し、決定すべきポイントがあり、その部分に手をかけるかかけないかで、本の仕上がりは大きく変わって行きます。
すでに出来上がった本が存在することの多い出版翻訳。各社のラインナップに合った本を選んで翻訳しさえすれば、十分良質なものが出来上がりそうな気がします。
ところが、まさにその「本をみつける」という作業こそが、大海の一滴、砂漠の砂の一粒を発見するとも言える作業なのです。
さらに言えば、適切な翻訳家、翻訳者が訳すのと訳さないのとでは、本の仕上がりは大きく変わります。
また出版翻訳は、一般的に日本人を著者とする作品よりも原価がかかるとも言われています。
時間も手間も経費もかかる出版翻訳を成功させるために、サヴァポコでは長年の経験を生かしてさまざまなサポートを行っております。
1 原書を探す
テーマを決め、著者研究をし、書評など各方面から情報を集めて原書を検討します。自社でその手間をかけることができない、あるいはその方法について見当がつかないという場合は、既存の著作権エージェントや、そのジャンルに明るい人などに希望のジャンルやテーマ、作家を伝えて探してもらいます。サヴァポコでは、ご希望のテーマに沿った原書発掘やラインナップ作りも手がけております。ただし、海外からの原書発掘は容易にできるものではないということも、ぜひご理解ください。
2 リーディングをする
第1段階の要とも言えるパートです。その分野と言語に精通している原書の読み手(リーダー)を見つけることが大切です。どんなに優秀な人であっても、そのジャンルに明るくなければ、間違った結論になることもあります。社内で企画を通すために必要な情報をまとめ、あるいは今回見送るのであれば、見送ると言い切れるだけの根拠が「リーディング」という作業によって仕上がったレジュメで示されます。
リーディングの流れ
3 著作権の交渉
本の絆社を通じて交渉できる著作物であった場合には、金額も含めご相談を承ります。お気軽にご相談ください。
4 翻訳者の選定/発掘/交渉
第2段階の要です。作品に合った翻訳家/翻訳者を選定のお手伝いをし、交渉いたします。これが出来たところで、作品の未来は成功へと大きく動きはじめます。出版社、翻訳者双方にとって適切な条件の交渉も、大切なポイントとなります。
5 訳文の納期管理/品質管理
出版時期に合わせた翻訳の納期管理、および訳文のチェックなど、品質管理もおまかせください。これまでに300冊以上もの翻訳書を手がけて来たからこそのノウハウがあります。
6 編集作業
しっかりと仕上がった訳文には、さらに出版翻訳にのっとった編集作業が欠かせません。サヴァポコには編集者やデザイナー、装幀家、チェッカー、校正者たちのネットワークもあります。直接ご紹介する場合もありますし、弊社を通じて本ごとのチームを立ち上げることもあります。それぞれの本にふさわしい仕上がりを目指して、あらゆる面でお手伝いいたします。
サヴァポコでは、海外との取引経験の少ないお客様のサポートを、さまざまな角度からお手伝いしております。海外出張の手配からその間のやりとり、現地取引先との交渉。あるいはさまざまな契約内容の吟味にいたるまで、手厚いサポートをしております。何かお困りになった時には、ひと声かけてみてください。
はるか昔から、翻訳された言葉や情報は、日本人に新しいものや世界観などをもたらしてきました。数々の情報がメディアやネットを通じてリアルタイムで入ってくる現在、その役割は薄くなっている、国内の出版物だけでも十分に足りているという見方も出て来ています。
けれども、長年、出版翻訳という世界に微力ながらも携わって来た身としては、決してそのようなことはないと感じております。人が生きていく上で生まれる共感は人類共通かもしれません。ですが、それぞれの風土や文化の上に成り立つ感性や感情、あるいは言語特性による論理展開などは、実際に提示されるまでは未知のものだったということに、新しい書物に触れるたびに、いつでも新鮮な驚きや感動とともに気づかされています。
本を読む喜びや新しい情報を伝える使命、さまざまな理由によって日本人に発信される出版翻訳の分野を、サヴァポコは後ろからしっかりと支えて行きたいと考えています。