新人コーナー

枇谷玲子さん

自己紹介


枇谷玲子 ひだに・れいこ
1980年、富山県生まれ。翻訳家。2003年、デンマーク教育大学 児童文学センターに留学。2005年、大阪外国語大学(現大阪大学) 卒業。 在学中の2005年に『ウッラの小さな抵抗』(文研出版)で翻訳家デビュー。家 具輸入販売会社勤務、翻訳会社でオンサイトのチェッカーの経験を経て、現 在は北欧(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)の児童書の翻訳・紹介を精 力的に行っている。興味のある分野は、森の幼稚園をはじめとする北欧の児 童教育、障碍学、第二次世界大戦中に北欧で行われたユダヤ人救出活動、 移民に対する差別の問題、子どもの入院環境の改善など。

訳書一覧


ウッラの小さな抵抗
ウッラのちいさなていこう
インゲ・クロー
文研出版
2005/02初版
ISBN 4-58-081506-8
本体1300円
Håndlanger
Inge Krog
1990
※第二次世界大戦中、ドイツ占領下のデンマークに暮らす多感な少女ウッラが、 友だちのグレタと抵抗運動家であるグレタの父親とともにユダヤ人救出に奮闘する 様子を描く。作者の体験を織り交ぜたフィクション。

ニッセのポック
にっせのぽっく
オーレ・ロン・キアケゴー
あすなろ書房
2006/11初版
ISBN 4-75-151903-4
本体1300円
Mig og bedstefar og så Nisse Pok
Ole Lund Kirkegaard
1982
※ニッセはデンマークに住むいたずら好きの妖精で、良い行いをすると素敵なプレゼントを置いていく。 今年おじいちゃんの家にやってきたニッセは…。北欧でずっと愛されているクリスマス物語。

ラッセとマヤのたんていじむしょ ダイヤモンドのなぞ
らっせとまやのたんていじむしょ だいやもんどのなぞ
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2008/12初版
ISBN 4-07-260630-8
本体1100円
LasseMajas Detektivbyrå, Diamantmysteriet
Martin Widmark
2002
※小学生なのに探偵事務所をひらいているラッセとマヤのもとに、今日も難事件がもちこまれた。宝石店から、有名な巨大ダイヤモンドがつぎつぎに消えているのだという。この難事件を、ふたりはぶじに解決できるのか?

ラッセとマヤのたんていじむしょ ミステリーホテルの怪 
らっせとまやのたんていじむしょ みすてりーほてるのかい
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2008/12初版
ISBN 4-07-260646-4
本体1100円
LasseMajas Detektivbyra, Hotellmysteriet(Detektivbyraのaの上に○)
Martin Widmark
2002
※ラッセとマヤのもとに、クリスマス・イブの前の今晩も難事件がもちこまれた。ホテルに滞在中のお金持ち一家がかっている高価な愛犬が、部屋から忽然と姿を消したのだという。犬が姿を消したちょうどそのころ、ホテルの従業員たちはそれぞれとても怪しい行動をおこしていた。

ラッセとマヤのたんていじむしょ サーカスのどろぼう
らっせとまやのたんていじむしょ さーかすのどろぼう
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2009/03初版
ISBN 4-07-260652-9
本体1100円
LasseMajas Detektivbyrå, Cirkusmysteriet
Martin Widmark
2003
※サーカスの公演中に、盗難被害があいついだのだ。団員のもちものも、お客さんのもちものも、ぜんぶ調査されたけれど、盗まれたものはいっさい見つからないという。いったい、犯人は誰で、盗んだものをどこに隠したのか?

ラッセとマヤのたんていじむしょ カフェ強盗団
らっせとまやのたんていじむしょ かふぇごうとうだん
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2009/03初版
ISBN 4-07-260669-8
本体1100円
LasseMajas Detektivbyrå, Cafemysteriet
Martin Widmark
2003
※バッレビのカフェで、強盗事件がたてつづけにおこった。ふしぎなことに、強盗がはいった日はいつもよりレジにお金がたくさんあった日だという。強盗団はどうしてそのことを知っていたのか? もしかしたら、内部の人間の犯行か?

エレンのりんごの木
えれんのりんごのき
カタリーナ・クルースヴァル
評論社
2009/03初版
ISBN 4-56-600888-6
本体1300円
Ellens Äppelträd
Catarina Kruusval
2006
※エレンの家には、ちょっとした庭がある。庭のまんなかには、りっぱなりんごの木が立っている。この木が、エレンと友だちのオッレの、いちばんのあそび場。ところが、ある年の冬、あらしがやってきて、りんごの木がたおれてしまった。

ラッセとマヤのたんていじむしょ 恐怖のミイラ
らっせとまやのたんていじむしょ きょうふのみいら
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2009/07初版
ISBN 4-07-266904-0
本体1100円
LasseMajas Detektivbyrå, Mumiemysteriet
Martin Widmark
2004
※バッレビの町に夏がおとずれ、学校も長い夏休みにはいったある日の真夜中、町の博物館に展示されていたミイラが動きだした! 警備員は大慌てで館長に電話連絡をしたが、今度はそのあいだに、高額な絵画が盗まれてしまった。そして、犯行現場には、ミイラからの脅迫状が……。

ラッセとマヤのたんていじむしょ なぞの映画館
らっせとまやのたんていじむしょ なぞのえいがかん
マッティン・ビードマルク
主婦の友社
2009/07初版
ISBN 4-07-266910-5
本体1100円
LasseMajas Detektivbyrå, Biografmysteriet
Martin Widmark
2004
※夏休ももうおわろうというある日、教会と図書館とホテルの3箇所で、ほぼ同じ時間帯に犬が3匹誘拐された! そして、その後、5000クローネを要求する脅迫電話がかかってきた。どうも映画館があやしいと目をつけたラッセとマヤだったが……。

飛べない渡り鳥 リッレヴィン
とべないわたりどり りっれヴぃん
マッツ・ヴァーンブロッド
汐文社
2010/03初版
ISBN 4-81-138612-4
本体1400円
Lilleving
Mats Wänblad
1996
※渡り鳥なのに翼が小さくて、飛べないリッレヴィン。秋がきて、かあさん鳥やきょうだいたちが、南のアフリカに渡ることになりました。のこされたリッレヴィンの、じぶんさがしがはじまります。たとえみんなと違っていても、自分らしくいきることのすばらしさをうたった、あたたかな絵本。

トーベのあたらしい耳
とーべのあたらしいみみ
トーベ・クルベリ
少年写真新聞社
2010/04初版
ISBN 4-87-98127-3
本体1900円
Tove Va-Va
Tove Kullberg
2007
※ 両親は、トーベが言うことを聞かないのでよく怒ります。でももしかして……?  お医者さんで難聴を発見してもらったトーベは補聴器をおしゃれに飾ろうと考えます。難聴の筆者の体験に基づいた絵本。

くまのバルデマール―ぼくって、サイコー!
くまのばるでまーる―ぼくって、さいこー!
クヌート・ファルバッケン
文研出版
2010/07初版
ISBN 4-58-082108-8
本体1200円
Baldemar ? en fortreffelig bjórn
Knut Faldbakken
2005
※くまのバルデマールは、ミッラのお気に入りのぬいぐるみ。大きいぞうや細長いへびに、「だっこしてもらうのにぴったりなのはぼくさ。」といって自慢します。ある日、庭のスズメをまねて、「ぼくたちくまにできないことはない。」と、窓から飛んでみるのですが……。

太陽のくに
たいようのくに
エヴァ・アスムセン
金の星社
2010/12初版
ISBN 4-32-307208-2
本体1400円
I et fremmed land
Eva Asmussen
1989
※ 何もかも恵まれたヨーロッパの国で育った少年・ラスムス。やがて一家はラスムスの祖国を訪れる機会を得る。初めて見る自分の生まれた国。そこには、ただ観光客として訪れたなら、決して見ることのできない厳しい現実が待ちかまえていた。

ハエのアストリッド
はえのあすとりっど
マリア・ヨンソン
評論社
2011/07初版
ISBN 4-56-600086-5
本体1300円
Spyflugan Astrid
Maria Jönsson
2007
※ アストリッドってあたしのこと。ときどきハエなんてよばれているみたいだけど、そんなのどうでもいいわ。あたしたちきょうだいは44ひき。だから、しょっちゅうちびたちのめんどうをみなくちゃいけない。でもね、まえにちょっとぼうけんしてみたら……。

ママ!
まま!
キム・フォップス・オーカソン
ひさかたチャイルド
2011/11初版
ISBN 4-89-325945-8
本体1600円
Mor
Kim Fupz Aakeson
1998
※ ぼくは、ママがだいすき! でも、こまったことが1つあるんだ。それはね、ママがとってもくいしんぼうだってこと。はずかしくなったぼくは、あるひ、となりのうちの子になることにきめたんだ。でも……。複雑な子ども心とママへの愛情をユーモアたっぷりに描いた絵本。

ご本人からのおすすめの1冊


表紙画像太陽のくに
たいようのくに
エヴァ・アスムセン
金の星社
2010/12初版
ISBN 4-32-307208-2
本体1400円
I et fremmed land
Eva Asmussen
1989
※ 何もかも恵まれたヨーロッパの国で育った少年・ラスムス。やがて一家はラスムスの祖国を訪れる機会を得る。初めて見る自分の生まれた国。そこには、ただ観光客として訪れたなら、決して見ることのできない厳しい現実が待ちかまえていた。

☆精神的にも、物質、安全面に置いても恵まれた環境を当然のように受け止めているデンマークの子どもたちに警鐘を鳴らしたいという作者の思いから描かれた作品。デンマークには、東南アジア、南アメリカ、アフリカなど、様々な国から、たくさんの子ども達が、デンマークに養子としてやって来ます。そんなデンマークでも、残念ながら、差別の問題は深刻です。この物語の中で、主人公が生まれた国が特定されていないのは、そのような子ども達とその周りの人達が、自分達の状況に置き換え、共感しながら作品を味わえるようにという、作者の配慮によるものです。日本に暮らす私達も、やって来る将来のために、今から向き合い、理解を深めるべき大切なテーマが扱われた作品です。

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